都筑区に開業を決めた理由
――横浜市都筑区のふれあいの丘駅前に決めた理由は?

浦和での勤務を終了し、地元静岡ともう一つ非常勤で努めているミッドタウンがある六本木の両方をケアできる場所をということで探してました。
やはりロサンゼルスに3年いましたので、イメージとして住宅街と自然環境があるアメリカ的なロケーションが、都筑区はイメージにぴったりだったんです。横浜市営地下鉄のグリーンラインが開通した同じ日に開業したんです。
――ここまでお聞きしていると準備、準備と開業までの準備期間が長いですね。ご性格なのでしょうか?
そういうわけではないのですが、とにかくいろんなことに興味があり、吸収したかったんじゃないですかね。本当は開業を30歳くらいと考えていたんです。アメリカちょっと行って帰ってきて開業しようかなと考えていたんで。興味があることが色々増えてきて(笑)。
気が付いたら39歳での開業でしたから一般的には遅いですよね。人よりも5年は遅いなという感覚はあるんですが、その5年分は今、十分取り返せてるかなと思っています。
矯正専門でいったら皆5~6年で開業してますから、僕もそれくらいで開業はできたんですけどね。
一般治療との併用
――秋庭先生が矯正歯科専門でやっていたときは、逆に一般歯科の先生へ、患者さんを送っていたんですね。
患者さんへの丁寧な説明
そうです。大学病院の矯正科にいたので、他の一般歯科に虫歯や歯周病を診てもらっていました。矯正歯科だけをやっていた時は、やはり、矯正が終わると虫歯ができたり歯周病になったりということが多かったです。
とにかく「これが虫歯」というのが分からなかった。初期の削らなくてもいい虫歯から、削らなければいけない虫歯まで、虫歯には段階がありますが、歯医者なのにその見分けが付かなかったんです。恥ずかしい話だったんですがそれくらいの診断レベルの状態でよくやってたなと思います。
――歯科大学6年行って分からないものですか?
矯正専門なんで、全く別物なんですね。ワイヤーを外してもらって一般歯科へ行く。一般歯科で治療が終わったら、またワイヤーを付けに戻る…。そのわずらわしさがなくなるというのは大きいと思います。
――大人はやはり歯周病が一番怖いですね。
矯正というのは、いわば普段かかることのない暴力的な力が歯にかかっているわけです。歯が押されたり引っ張られたりして動いた分、骨を溶かし骨を作る原理です。強い力がかかっているのに、磨き残しがあったり食べ残しがあると余計歯周病になりやすいんです。
クリーニングを徹底した矯正
ですから、当院では矯正の治療時間よりも、クリーニングをする時間のほうが長いんです。1時間に一人の枠をたっぷり取って診療しています。
自分が大学の矯正科でやっていたころは、ワイヤーの調整で終わり、はいサヨナラ。お口の中が汚いままで帰すんです。きれいか汚いかも分からなかったと思います。今思えば考えられないことなんですが、そういうところはまだまだ多いと思います。
――秋庭先生が考える矯正歯科医院の選び方について教えてください。
よく聞かれる質問ですが、僕が考える矯正歯科医院の選び方とは、
- よく説明してくれるところ
- スタッフたちもよく話し、コミュニケーションが取れていること
- 矯正歯科以外の知識・経験も豊富である
- クリーニングもしっかりやってくれる(虫歯・歯周病のリスクに対して対応ができる医院)
…です。とにかく色んな医院の意見を聞いて、最終的には相性の合う医院と出会うことが大切ですね。
矯正を目指したきっかけ、続けている動機
――インプラント専門、審美歯科専門、予防専門とたくさん歯科医院がありますが、なぜ矯正歯科なのですか?
最近では虫歯は減少傾向にあります。でも不正な歯並びだけはどうしてもなくならない。再生治療も進み、いずれインプラントもなくなる可能性もある。そういう先を見越して、歯並びを勉強したいというのがありました。
歯並びは永遠のテーマと秋庭院長
あとは、歯周病の患者さんを診ていると、どうしても「歯並びが悪い方」が多いんです。歯並びが悪いのは何にしてもよくない。歯が抜けた場合にセラミック治療で補う等の補綴(ほてつ)もやりにくいですし、歯並びが良いことによって最大の予防ができるんです。
その予防の最たる治療が矯正だと感じました。そして、ただ矯正というのではなく、専門と名前が付くからには、すべてを網羅した矯正の勉強をしなければいけない、と思いました。
矯正を続けながら、一般の治療も勉強しましたので矯正歯科に対する思い入れは、僕の中で一番強いものがあります。全てが分かってないと矯正歯科はできないものであると感じています。
地域の検診にいってもお母様からの多い質問は「歯並び」についてなんです。10人のお子様がいれば、虫歯は1人くらいの割合なんで本当に虫歯は少なくなりましたよね。
――先生は矯正のことを分かっていらっしゃるからこそ、子どもの頃からの歯並びの重要性を分かるわけですね。
そのために今、小児歯科担当の先生に来てもらって、小児の時から虫歯のケアをしながら成長発育を見守っています。小さいころのケアは大切ですね。
小児担当の「はるな先生」
――小児担当の女医先生に来てもらうというのは、歯科医院では珍しいのではないでしょうか。
そうですね。これも早期発見・早期治療を考えた結果なのですが、矯正だけでなく、歯のすべての症状に対してお子さんに来てもらうことによって、不正咬合を発見・予測します。いわゆる悪い芽を早く摘み取ることができるんです。僕だけでなく、違う角度から見れる先生に協力してもらいたかったんですね。
――子どもの頃に矯正を受けるチャンスがなかった今の成人の方に対して何か伝えたいことはありますか?
当院では、お年寄りの方、おじいいちゃん、おばあちゃんの代まで患者さんとして来てくださっていますが、そういう方々で歯周病で歯を抜いてしまう人っていうのは、もう100%歯並びの悪い人なんです。磨かなくても虫歯にならない人っていうのは、大体歯並びがいい人なんです。
そういう歯の末期を診てきているので、若い成人の時から歯並びをよくすれば、歯を抜かずにすみますとお伝えしたいですね。歯並びがキレイな人は歳をとっても最後までキレイなんです。磨きやすい環境にしておくというのは重要なんです。
――歯並びが悪いから歯周病になる、歯が抜けてしまう、というのはまだまだ一般的には想像つかない人が多いのでないでしょうか。
それだけ歯垢や歯石の除去は大切。そういうのを分かってなくて、普通の歯医者さんにいくと、やはり歯並びが悪いのを気に留めないんところが多いんです。要は歯並びについて「見る目」がない。歯並びが悪いのに、クリーニングの繰り返し。それで「毎日磨け」と指導しますよね。でも患者さんは一生懸命磨くんですよ、でも磨ききれていない。
根本的な解決になっていないんですね。磨きやすい環境がないと、ず~っと同じことの繰り返しです。歯を失ったときに「あの時きちんと歯並びを治してケアすればよかった」と感じる人がいっぱいいます。
――子どもの頃にいかに早期診断をして、歯並びを治さなければいかないか、重要性がよくわかりましたが、それでも子供の時期にチャンスを逃して、成人で歯並びがよくない方はまだまだ沢山います。
親子で話し合いながらの矯正
歯並びを治すキッカケがなかった、というのはあるでしょうね。
理由として…
- 分かっていたのに来ない
- 主治医がいたが指摘・助言されなかった
- 料金的な問題
- 目立つから嫌だ
・・・などでしょうね。
どちらかというとそんなに費用は高くないですよ。院内分割しての手数料もないですからね。
あとは価値観になるかと思います。車を買ってその車が何年持つか…。歯は一生物ですからね。
見た目も気にするのは日本だけ。欧米では逆に装置を見せることがステータスですからね。
「歯並びに対する意識が高い=“喜ばしいこと”」と周囲は見るわけです。
――最後に将来の展望について教えてください
特になんの宣伝もしていないのですが、おかげさまでご紹介が多く、皆さまには予約が取りづらく、ご迷惑をおかけしております。まずは、診療ユニットの増設ですね。
CTやレーザーなどの設備投資も積極的に行っていきたいですね。また、院内技工所も設けて、製作や調整などのレスポンスにも早く対応したいと考えています。
そして実家の静岡の医院の改装・新装です。そして地元静岡にもこちらと行き来するような体制を作り、静岡にも貢献していきたいと考えています。
――ありがとうございました。
――編集後記
矯正歯科治療の内容に限らず、審美的要素や虫歯・歯周病の予防がいかに大切かを大変分かりやすくお話してくださいました。開業前のアメリカ時代のお話や日本での勤務医時代のお話は面白いエピソードがたくさん出てきて、とてもここですべてを紹介しきれないほどです。
診療中の見学もさせてもらいましたが、とにかく秋庭先生をはじめ、スタッフの皆さんがとってもアットホーム。お子様からご高齢の方まで患者さんが皆笑顔なのがとても印象的でした。
秋庭院長先生のクリニックを来院される際はぜひこの「インタビュー記事を見た」とお伝えください。あなたにとっての今最善の治療方法のアドバイスをしていただけると思います。
院長インタビュー1はこちら
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